オリジナルテキストに基づいた実技理論の講義は1つの講義が3時間ほどのもので、各項目に分けてまとめられています。テキスト化は1997年にはじまり、毎年、実践の成果をふまえて改変され続けています。芸術の世界ではありがちな感覚的な言語や精神論なるべく避け、わかりやすい言葉で講義されます。
 アステールでおこなわれている実技理論の各講義およびその内容を以下に紹介します。
デッサン序説
デッサンを修練する意味が語られ、基本的な用語、道具、姿勢などの説明を受けます。また基本構図やバランスといった画面の基本原理も講義されます。(1学期 入門基礎)
形態把握法
通常、人は部分を集積させて全体を築きあげようとします。しかしプロの美術家は全体から部分を割り出します。ヴィジョンを先行させ形態を把握する方法を学びます。また道具を用いた計測法を解説します。(1学期 入門基礎)
明暗法
明暗の法則や原理、眼の構造について解説され、それらをトーンに置き換える実践方法や技法が講義されます。また総合クラスには影を設定する方法として投影法が講義されます。(1学期 入門基礎)
遠近法
線遠近法の基本原理や実践応用法が講義されます。原理だけではなく、直方パース、楕円パースなどの線遠近法上の留意点、間違いやすいポイント、パースを利用した修正法などがわかりやすく解説されます。(1学期 入門基礎)
質感表現法
色、質の視覚的な原理とそれを表現する実践方法が講義されます。色と明度及び明暗の関係、質感のパターンやトーンとの関連が解説され、単に数種類の質表現パターンを学ぶのではなく汎用性のある理論が講義されます。(1学期 入門基礎)
空間表現法
空間感を決定づける際の処理法、空気遠近法、焦点遠近法、減筆法など主に調子を用いた遠近表現の講義です。(学期 総合基礎)
素描構築法
デッサン講義の総まとめとして石膏デッサンと静物デッサンの進める手順について詳しく解説されます。作品ができ上がるまでの手順をプログラムする力こそデッサンから学び取る者です。(1学期 総合基礎)
色彩学1
色の三属性、色立体の基本構造の理解、加法混色と減法混色(光と色料)の関係など、色彩の最も基本的な原理が講義されます。また混色して色を作る際の留意点、考え方など実践的な講義も同時に行われます。(1学期 入門基礎)
色彩学2
色彩対比、2色調和の原理、ドミナンスとアクセント&セパレーション、グラデーション効果、色彩感情、配色効果など、色彩効果について講義されます。(1学期 入門基礎)
モチーフ構成法
卓上構成デッサンにおけるモチーフの組方を講義します。者の配置と画面の関係、主従のバランス、質感や形態感に対する考慮、余白、コントラストの作りなど、絵作りの基本をモチーフ構成から学びます。(2学期 総合基礎)
平面構成序説
平面構成の紹介とその概念についての講義です。平面構成を特殊なものとしてとらえず、「絵」として一般化し、そのコンセプトに応じて構成が変わるものと解説します。(1学期 専門教養)
視覚言語論
色や形を目的に応じて扱えるようになるためには、それを言語化する必要が生じます。一般的な視覚言語を紹介するとともに、視覚言語を共有体験から抽出する方法が講義されます。(1学期 総合基礎)
一般構成法
特殊なアイデアや発想を必要としなくても、一般的に美しい画面を構成する方法に関する講義です。画面を区分する明暗の骨格、配色の統一性など、絵作りの基本的な形を紹介します。(1学期 入門基礎)
構成素描論
鉛筆素材を用いて通常の鉛筆デッサンとはちがった効果を出す方法や、パターン描きの紹介、テーマ、モチーフやモチーフなどへのアイデアの出し方、切り口の方向性を論じます。(2学期 専攻専門)
次元変換法
課題を自分のスタイルに持ち込む方法として、「次元変換」の考え方を講義します。この方法を通じて各自が自分のスタイルを決定してゆく事になります。(2学期 専攻専門)
立体構成法1
主にケント紙の基本的扱いを講義します。スタンディングカード、立体展開図、曲面立体、ユニット立体、開口立体など実践的なパターンの紹介をします。(2学期 専攻基礎)
立体構成法2
粘土素材の扱いについて話します。乾燥と作業手順の関係、道具扱いの工夫、軽重感や質感の表現、立体の配置や構成、粘土立体の狙いのポイントなどについて講義します。(2学期 専攻専門)
立体構成法3
第三素材(紙、粘土以外)について講義します。素材の特性の読み方、扱い方、特性を活かした構成のポイントを、角材、和紙、スチレンボード、段ボール、針金、テグスなど具体例から紹介します。(2学期 専攻専門)
水彩技法
水彩画の基本的な絵の具の使い方を絵の具の組成から説明します。透明水彩、不透明水彩、アクリルなどの違いとそれに伴う描き方の違いを解説します。また筆やパレット、弦巻ポンプ、ペンティングナイフなどの道具扱いの基本も説明します。(1学期 専攻基礎)
平塗技法
平塗の合理的な塗り方を、紙や絵の具の組成から説明します。泣き、むら、たわみなどうまくいかない原因を解説し、その解決策を講義します。また烏口や溝引きなどの道具扱いの解説もします。(1学期 専攻基礎)
油彩技法
油絵の具の組成とグレースやドライブラッシなどの古典的な重色テクニックを解説します。またメディウムや溶き油の扱い方、油絵の具デできるッ特殊な技法などを紹介します。(1学期 専攻基礎)
偶発技法
にじみ、マーブリング、デカルコマニーなどの偶発技法を紹介します。またそれらの技法の利用方法、応用技術などを解説し、演習につなげてゆきます。(2学期 専攻専門)
構成技法
グラデーション技法、転写技法、錯視技法、スピード感表現など色彩を用いた構成のアイデアを紹介します。(2学期 専攻専門)